ぜし論

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『水の都の護神 ラティアスとラティオス』を観てきました

こんにちは。

2022.08.11~から始まったポケモン映画祭25周年に行ってきました。

1週間おきに作品が変わる催しで、今年は新作映画が無いという事で人気投票の作品を3作リバイバル上映。

どれも当時劇場で観た作品ですが、中でも特に思いで深い、また年に1~2回は見ている『水の都の護神』をまたビッグスクリーンで体感できるという事で、今回足を運んできました。

 

 

はじめに

夏のポケモン映画って春のコナン/ドラえもん/クレヨンしんちゃん並みにキッズには一大イベントだと勝手に思ってます。

自分最後に観たポケモン映画が『神速のゲノセクト』ですが、個人的にDP以降の映画はあまり記憶に残っていません(笑)

でもDP以前の映画は鮮明に覚えているので、やっぱり多感な時期に体験したものは忘れないのかもしれませんね。

そんなポケモン映画の括りで最も好きな作品である『水の都の護神』を改めて劇場で観られたのは大変僥倖で、何よりポケモン現役世代の子供たちに旧作品を知ってもらえる機会として、今回の25周年リバイバル上映は素晴らしい企画だと思いました。

因みにお盆だったので自分が行った劇場は各回満席でした。よかったね。

 

今回の『水の都の護神』は当時と同じく同時上映で『ピカピカ星空キャンプ』も観れます。

神速のゲノセクト』除いて『蒼海の王子』以降のポケモン映画を劇場では見ていないのでわかりませんが、こういう本編とは別の短編って今もやっているんですかね?

当時の懐かしさを増してくれる粋な計らいだなと思いつつ、トイレを我慢する時間が30分程度伸びるという地獄も味わいました。(上映中に缶コーヒー400ml×2を飲んでいるため)

大人って本当バカだなって思いました。

 

作品を振り返って

ポケモン映画の中でも屈指の脚本/楽曲ですね。何度観ても。

特にこの映画を象徴するのがアコーディオンによる楽曲やアレンジで、当時よりも時代を経るに連れて再評価されていった印象があります。

最初の水上レースで流れる『めざせポケモンマスター2002』はイントロのアコーディオンが印象的で、幾つかあるアレンジの中でも一番好きです。

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次にこの映画で最も有名な楽曲の『謎の少女、再び(迷宮)』。

作品内にテンポや使用されている楽器の異なる『謎の少女(迷宮)』と『カノン』がありますが、多分この曲が一番知られているのは作中でサトシがラティアスに導かれて秘密の庭に至るまでの追いかけっこでしょう。

大体ラティアス/カノンが出てくるシーンは流れているので、気が向いたら違いに気を付けて映画を観るのもいいカモ(ハルカ並みの感想)

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忘れちゃいけないのが主題歌の『ひとりぼっちじゃない』。

島唄』で有名な宮沢和史さんが務められてます。

題名は作品の終わりになると意味が分かって、サトシ達が舞台のアルトマーレを船で後にする時に流れるこの曲は何度聴いてもシビれますね。

ポケモン映画は主題歌の起用幅が広いというか、あまりイメージ無い人がやってたりするのも面白いポイントというか・・・。

TVCMで予告が流れた時に主題歌のサビがちょっと流れる時に名前ちらっと見ると意外な人が歌ってたりするんですよね。ローラとか。

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(※乗せませんでしたが挿入歌『SECRET GARDEN』の歌詞にも訳すとひとりぼっちじゃないとあったりします。)

 

全体的にアコーディオンの素晴らしい音色がこの作品をここまで押し上げたと評して過言では無いです。

ぶっちゃけ『水の都の護神』を除くと楽曲で印象に残ってるポケモン映画って無いんですよね。

主題歌だけで言えばゲノセクトは脚本含めて好きでしたが、それを抜けばやっぱりBGMの印象はありません。

 

 

先に楽曲のことを書いてしまいましたが脚本もよくできてます。

舞台はイタリアのヴェネチアをモチーフにした水上都市アルトマーレ。

大聖堂や河川を渡るゴンドラなど、異国の雰囲気が前面に押し出されててとても素敵。

DP以降でメジャーとなった神々の信仰や伝承を主軸とした話よりも設定はライト寄り。

ラティ兄妹が圧倒的なパワーを見せつけるって描写は少なく、どちらかといえばサトシ達との触れ合いが主なんですね。

だからか作中後半だとアルトマーレのシステムに組み込まれている"こころのしずく"が問題になる展開へ繋がっていきます。

 

ポケモンが人間に変身できる設定も恐らく初だったと思います。以降はゾロアなんかも出ましたが。

また、地味に映画主役ポケモンは言葉を話すお約束も適用されてません。

ぶっちゃけポケモンニャース以外に喋る必要無いと思ってますが、1作目からの風習であるゲスト声優の起用を考えると意外だったりします。

ただ、この作品に関してはラティアスが人の姿になれても喋らないという設定がラストをより良く演出できているものですから、この脚本とラストでラティ兄妹にゲスト声優をあてなかったのは今となっては英断に感じますね。

個人的にはもう少しラティアス/カノンが外見上は全く同一である部分を活かした演出があると良かったなぁと。

悪役のザンナーとリオンが大聖堂で喋るカノンに一切触れないのとか不自然と言えば不自然。

 

次世代(RS/AG)へのバトンタッチ

この作品を観た当時、そして再度観た現在でも感じるのが、ポケモンのNext Generationへと繋いだ偉大な作品という点です。

勿論、子供だった私にとっては単純に楽しみな夏ポケ映画で、劇場版には次世代(新地方)のポケモンが出ると思ってました。(※実はカクレオン/ルリリ/ホエルコが先にアニメには出ていましたが)

そして私はかの名作ルビー/サファイアのドンピシャ世代なもんで、ラティ兄妹のインパクトって想像以上に大きかったんだと思います。

この映画の数か月後にはRSが出て実際に発売日付近で購入するわけですが、まぁGBAという機器でやる新しいグラフィック、サウンド、スタイリッシュなポケモン全てに感動したものです。やるな増田。

所謂、第2世代(GB)から第3世代(GBA)への移り変わりは以降のポケモンで体感できるような進化では無かったと間違いなく思ってます。

あの時子供だった私たちにダイレクトな感動を与えた作品として刻まれているのがRSですから、歳を重ねて記憶の美化をしつつ、過去の作品を振り返った時、どの作品が良かったかと大人の感性で改めて見ると『水の都の護神』に落ち着くのは自然な気もしますね。

 

アニポケも上映された2002年内に『ポケットモンスター(無印)』は終了し、装い新たに『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』へとなりました。

内容は今回の記事とは関係ないので省略しますが、『水の都の護神』を皮切りにメディア露出の増え始めた新地方のポケモン、『無印』終盤で子供たちの期待を大きく上げたハヅキ/バシャーモの登場など本格的に。

先の通りカクレオンとかは先に出てたりしましたが、劇場の主役ポケモンが未発売タイトルから取り上げられたのも今となってはすげーなって感じます。

ポケモンコンテンツが今どうなってるか分かりませんが、当時はアニメとの連動が重要(子供はTV/雑誌でしか情報を得にくかった)でしたから、スムーズなバトンタッチを行う配慮というのは子供心にも分かりましたよ。

地味にカスミの離脱がありましたが、以降のタイトル変更時にはヒロインが最新作の女の子主人公になる風習が生まれたのも『AG』からでしたね。

 

細かい話

この作品が公開されたのが2002年なので私は5~6歳です。

この映画の情報解禁が2002.01.30だったらしいので、恐らくその日付以降のアニポケでこの映画の製作過程がED後に特集されていたのを覚えています。

記憶にあるのはこの映画のロケにヴェネチアへ行ったとかでしたが、特別覚えているのがこの作品でポケモン映画(?)初の3D描写を入れたって監督が言ってたんですよね。

参考描写はサトシがカノンを追いかけて十字路に迷い込む(上記2つ目の動画のシーン)でしたが、確かにキャラクターは動かず背景が回転する印象的なシーンです。

実際にこの作品を皮切りにセル画を廃してデジタル彩色(PC制作)になっているようなので、恐らくそのハイテクを活かす試みだったのだと今では思います。

この特集は放送当時のちょっとしたED後にやってたものなので、今では見られないのがとても残念ではありますね。

 

リバイバル上映を行うにあたって人気投票が実施されましたが、確か以前にも深夜に人気投票でポケモン映画を放送する催しがあったと思います。(※調べたらコレでした)

そこでも1位を掻っ攫ったのは『水の都の護神』でしたから、人気未だ衰えを知らずって感じですね。

脚本/音楽は当然ながら、ラストがポケモンとしてよりも映画作品らしい終わりなのも人の心に刻まれやすい要因なのかもしれません。

この作品自体が評価されたのはRSが跳ねたからという印象は強いです。

事実、映画としての興行収入は2015年まで最下位だったとのこと。

RS効果で大きく伸びてメディアミックス貢献したのはどちらかというと次作品の『七夜の願い星』な気がします。(※因みに25周年映画祭2週目は『七夜の願い星』でRS人気の高さを感じます)

それでも人気投票1位をキープし続けているという事は、未鑑賞者が観たというよりも、私のように年に1回は観るリピーターが多い作品なんでしょうね。

 

まとめ

人気投票で『水の都の護神』を抑えて1位になる作品は今後も出なさそうです。

それくらい完成されている映画なのもありますが、キャラありきの映画はどうしても作り方に縛りがありそうですし、『水の都の護神』のような印象あるラストはポケモンの世界観に必要かと問われると意見は分かれそうなところです。

私はああいう終わり方が好きなので肯定派ですが。

 

今回のリバイバル上映という催しは不動の人気1位の証明/未鑑賞者の誘致として、二重の意味で成功なんじゃないかなと思います。

新作映画たまにはお休みしてリバイバル上映するのもアリだなと思いつつ、やっぱり映画は映画館で観てェ・・・って気持ちが改めて生まれました。

今年は『トップガン マーヴェリック』で既に映画館の強さを叩き込まれましたが、家族で見るならポケモン映画!って部分もあると思うので、お子さんがいる方は是非『水の都の護神』観に行って欲しいですね。

大人でも楽しめるアニメ映画何?って聞かれても問題なくオススメできる作品だと思っているので、仮にポケモン知らなくても観て欲しいです。

2週目以降はタイトルも変わりますのでハマったら別作品も是非。

あ、あとアマプラ今加入すればポケモン映画全部確か見れるので、足を運ぶ余裕や情勢から懸念材料がある方はそちらのサービスで観る事も可能です。コレは凄い。

 

さて、気づけば長々と書いてました。

このあたりにしないと収まりも悪いので終わります。

次回もこんな感じで映画作品に記事を出せたらなと思います。

読んでくださってありがとうございました!